マニュアル作成と業務プロセス②リスク視点

業務プロセスには必ずリスクが存在します。

 例えば、電話受付で「重大・緊急な事案」がキャッチされた時、速やかに対処すべきです。119番・110番通報に近い内容を聞くこともあります。
 その際、どうすればよいかが定められていない、あるいはそういうことを想定していないと禍根を残すことになります。

 苦情(クレーム)もあります。
 ただ、それが事実に基づくものかどうか、いわゆる「カスタマーハラスメント」に該当しないかという視点がないと、問題をより大きくしてしまいます。

 電話は相手の顔が見えないため、耳からの情報に頼ることになり、面接・面談に比べて、偏った情報をもとに対応しているため、ミスや事故につながるリスクが高いと認識しなければなりません。(情報の7割は目からであり、耳からの情報は全体の2割しかないという考え方で対応する事。電話・音声に頼るのはリスキーな事だという前提で)

 こうしたリスク認識に基づいた、電話受付マニュアルを構築しなければならないわけです。

 皆さんも、様々な事件報道で、初動の対応ミスが取り沙汰されているのはご存じでしょう。子どもの虐待死事件では、児童相談所等への通報とその後の対応の甘さが問題になったり、ストーカー被害についての警察の初動ミス等の問題は、またかと思うほどに出ています。もちろん、当事者はそれなりに判断して動いているのでしょうが、そこには個人任せになっている問題があるはずなのです。組織としての考え方を明確なマニュアルに示していない事が最悪の結果を招くことになるのです。
 リスクを認識して、マニュアルを構築することは極めて重要なポイントです。

さて、そうした視点で、自らに振り返ってみましょう。

手元にある、電話対応マニュアル(以前の所長が作成したもの)の記載は、2回コールで出る、メモを取るといった、子供に電話のかけ方を教えるようなものです。これでは、前述のような事態には対応できず、一旦保留して、所長に繋ぐのが精いっぱいでしょう。それさえも定められていませんから、担当者によって、対応はバラバラになるはずです。まさに、リスクが放置され、個人に責任がかぶせられる状態です。
 さて、どうするか・・・。

①まずは、「初動判断」というプロセスを追加しました。

「緊急性・重大性はないか、苦情ではないか」という判断プロセスを明記し、見過ごしを防止するのです。そして、そういう事案に対しては「緊急・重大事案対応」と「苦情対応」の2種のマニュアルを整備する事にしました。聞き取り用紙は共用できますが、その後の処理が違ってくる形です。

②そして、個人で抱えないために「情報共有」するプロセスも加えました。

私の事業所では、相談記録システムを使用しています。架電や受電、メール受信送信、面談面接と言った一つ一つの作業を記録するシステムです。そしてこれは、職員全員が閲覧できるものです。

 従来のマニュアルでは、電話記録はメモ紙に書いて渡すことになっています。実際には、メモだけでなく、伝言し、後日、記録システムに入力するという形でしたが、これでは情報の共有ができません。
 「緊急重大事案」や「苦情」はより多くの職員で共有することで、その後の対処の仕方の精度が向上します。そのためにシステム活用する事をマニュアルに明記しました。

 リスク視点は、様々な業務プロセスの基本に置くべき視点です。
 皆さんも業務マニュアルを「リスク視点」で再評価してみてください。きっと改善すべき箇所が多数見つかると思います。(PDCAのC)

 内部監査業務をされている方には、耳タコかもしれませんが・・・
 監査では、リスクマネジメント視点で「残存リスク」のコントロールを評価しなければなりません。
 特に、重大リスクに対して適切なコントロールが存在し、マニュアルで明記され、適切に報告や連絡が成されるシステムになっているか、職員への教育訓練が適度になされているか、しっかり監査していただきたいと思います。(リスク防止は内部監査の基本的役割の一つですから)

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