WIXでWebサイトを作成中

今、職場のWebサイトを作成しています。もともとあったものが更新できない状態になっていたのと、セキュリティ強化のための再構築となりました。
法人のWebサイトがWixだったこともあり、情報の連携などの都合で、同じWixでの作成となりました。
今回、作成するにあたり、これまでの者とは一線を画したものにしたいという思いがありました。単なる、広報の手段ではなく、もっと付加価値の高いものにできないかということです。
現在の職場は、基幹相談センターで、障がい者の相談支援業務を主としながら、市内の障がい者福祉事業者や行政機関・学校等の加盟する協議会事務局を担っています。
事務局は、年間の協議会の会議体の運営・事務を主な仕事として取り組んできたわけですが、1年経験する中で、それだけでは不十分と感じていました。

一昨年から始まった「コロナ禍」で、福祉事業所・入所施設等での感染対策や、クラスター懸念が高まり、より正確で有効な情報入手が大きな課題となっています。矢継ぎ早に出される行政からの通達や指導・通知、事業所の発生情報や対処方法等の問合せ等、事務局での情報発信がかなり重要だと感じたのです。もちろん、メーリングリストを使った情報発信は行っていましたが、やはり、メールというのは見返すのが難しいケースが多く、何か、データベースのようなものができないかという思いが強くなりました。

また、相談支援業務では、多様な制度やサービスがある障がい福祉分野では、個々の状況に照らして、制度を調べ、紹介し、申請などの手続き支援を行うために、大変な労力を要しています。経験に裏付けられた相談員ばかりではなく、若い相談員・経験の浅い相談員にとっては、なかなか苦労することなのです。
こうした労力を軽減できないかと考えた時、様々なサービスや制度が手軽に検索できるようなデータベースがWeb上にあれば、皆助かるのではないか。

今、こうした思いをもって、Web作成を進めています。通常の広報機能、データベース機能、事務局としてのハブ機能、こうしたものを詰め込んだWebサイトを目指しています。

4月ころから着手し、日常業務に取り組みながら、時間を作って集中して作業をしてきました。これがなかなか厳しい。2か月を経過して、8割程度までできています。ただ、データベース部分はやはり情報量の蓄積と更新が重要になり、まだまだ機能発揮するところまでには至っていません。もう少し頑張っていきたいと思います。

ただ・・Wixでの作成はやはり一筋縄ではいきませんね。今まで、WordPressではいくつもWeb作成してきたので、慣れもあると思いますし、MSの基本ソフト(ワード・エクセル等)との連携も良かったので、これまでのデータを流用する事が出来圧倒的に作業性が良かった。Wixは、そこが厳しい。また、職場は、Googleが基本ソフトなので、ドキュメントやスプレッドシート等のデータが多く、Wixとの相性は今一つですので、時間が掛かるのです。
それでも、何とか、これは、やり遂げたいと思っています。

懸念している事を一つ。
Webサイトが完成した後、随時、情報の更新がされることで初めて有用になります。
今、私一人で作業をしているので、ゆっくりでも進めることはできていますが、私も還暦を過ぎ、引退(隠居)すべき歳になっています。

これから後継者をどうすれば育成できるのか、不安な中にいます。

BCPについて考える

先日、「防災訓練」の研修がありました。毎年、2回定例で開催される研修です。
今回の研修テーマは、「BCP(事業継続計画)」についてでした。
以前の職場(生協)でも、この手の研修は何度か行われ、実際、BCPについて具体的な計画策定プロセスについて、内部監査としても検証に携わっていました。
福祉分野での取り組みについては、殆んど門外漢であり、真面目に内容を学ぶ姿勢で受けました。
研修の冒頭は、厚労省が作成した「福祉分野におけるBCP」のVTR学習でした。その後、現在、私の勤務する事業所で整備されている「マニュアル」の検証を行いました。
現在、重要なポイントとなっているのが「感染症発生におけるBCP」で、コロナ感染が広がる中、どういう対応が求められるかを話し合い纏めました。当然、大規模災害におけるBCPについても話し合う時間はあり、緊急時の連絡リストの検証(安否確認リストの検証)を行いましたが、時間が足りず中途半端に終わってしまいました。
この研修中、私の頭の中にある疑問が浮かんでいました。

それは、該当事業所だけのBCPの議論に終始している事で良いのかということでした。

もちろん、個々の事業所でのBCPの話し合いは重要な事ですが、法人全体としてのBCPはどうなっているのか、全く把握できなかったのです。
私の働いている法人は、障がい者福祉に関する各種サービス事業を展開しています。
通所型の生活介護事業・就労継続支援B型、グループホーム、訪問サービス、地域活動支援事業、計画相談、そして私の働いている基幹相談事業など、多様な事業に取り組んでいます。
そして、それを支える職員は正規職員で100名弱の規模です。
仮に、大規模災害が発生した場合、それらすべての事業を継続する事は困難です。まずは職員が全て平常時と同様に出勤する事はできなくなります。人的資源だけでも確保は難しいでしょう。また、施設自体もどこまで使用可能かもわかりません。

滋賀県は海に面していませんから、東日本大震災のような「津波」被害はほぼ想定されていません。一方で、北側の福井県には、原子力発電所が並んでいて、放射線による被害が想定され、緊急避難という事態が想定されています。
否応なく、事業継続は困難になるわけで、利用者(障がい者)の避難に関して最も重要なファクターとなるはずです。自身の避難と利用者の避難、だれがどう進めていくのかはかなり大きな役割という事になります。

こうした非常事態を想定した時、何を残し、何を捨てるか、どこに限られた資源を集中すべきか、そういうBCPの基本的なスタンスが明確になっていないと、それぞれの事業所が限られた職員の奮闘で維持することになり、総体的にはバラバラに動いてしまって、崩壊してしまうはずです。
原子力被害による避難は特別な事態と考え、オプションとして整備しておく必要がまずは必要でしょう。
それ以外の、大規模災害(豪雨による広範囲の水害・地震災害・強大な台風による甚大な被害等)や、コロナをはじめとする感染症発生の事態といったケースごとの想定を行ったうえでBCPを考えてみたいと思います。

ここからは、私見ですが、
まずは、入所施設・グループホームの維持が最優先。そこは、人が暮らしている場所であり、中には、自立して暮らす事の出来ない人が暮らしています。命を繋ぐための事業として最重要拠点であるはずです。
更に言えば、通所型サービスでは、自宅(家族)で暮らしている方が多くを占めており、開所せずとも暮らしていける方が居られます。こうした、命の維持という視点で、継続(復旧)すべき事業の軽重を、まずは法人が示したうえで、人的・物的資源の集中を図る事が重要ではないかと思います。
そういうプランのもとで、タイムラインを設定し、通所の人的資源をグループホーム維持へ注力する形で整備し、法人全体のBCPを組み上げることが必要だと考えます。

そういう考えをベースにすると、事業所は何をすべきかがもっと明確になると思います。
私の勤務する事業所は、行政委託による「基幹相談センター」です。
日常的には、市内の事業所の協議体の運営も任されています。
その任務を考えると、大規模災害が発生した時、市内の事業所の状態(BCP運用状況)の把握や、人的物的資源を俯瞰して、市内事業者の協力支援が円滑に進むよう業務遂行する事が求められるのではないかと思います。
情報収集や支援体制の確立準備、中には、避難や移動に関する調整といった機能も求められるはずです。こうした事を想定して、日常的に何をしておくかをもっと深める必要があるように思いました。

残念ながら、厚労省のVTRでは、そうしたところまでは踏み込んでいませんでした。

福祉に携わる職員は、命をもっとも重視し、そのために粉骨砕身される使命感の高い方が多いはずです。だからこそ、経営層は、適切な価値判断と確かな理論に基づいて、しっかりとした計画と指示を出せるよう努力していただきたいと思います。

ちょっと話がそれてしまいました。
極論を言えば、BCPとは、何を捨て何を生かすか、その基準は何かを組織の中で一致させておくことなのです。
大規模災害発生時には、指示系統が整わない状況も充分に想定されます。もちろん、そのために、あらかじめマニュアル整備をしておくことは重要ですが、もし、マニュアルに想定されていない様な事態が起きたとしても、法人としての基準・価値判断が明確になっていれば、充分に事業の継続は可能になるはずです。
そうした議論や研修を日常的にしっかり行っておくことこそ、重要だと考えます。
(この記事は、私のSSブログ:GRICS内部監査マネジメントの記事からの転載です)

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