エクセルの活用②

生協で内部監査を行っていた時の事から。
内部監査はやたらたくさんの書類が必要な業務です。
監査計画書・個別監査計画書・予備調査依頼書・予備調査記録・本監査シナリオ・本監査記録・所見書・監査指摘事項改善要求書・指摘事項改善報告書・監査報告書、監査対象部署に発行する書類だけで10種類。これに付随して、現場写真記録・インタビュー記録等の詳細なものまで入れると倍近い文書が発生します。例えば、この文書類1種に1時間必要とすると、1部署に対して文書作成業務だけで20時間近く掛かってしまいます。私のいた生協は、対象部署が現業だけで70カ所、管理部門を入れると100カ所近くありましたから、書類作成だけで2000時間くらい必要な計算になり、年間労働時間の大半が文書作成ということになります。
とうてい、本来重要な現場への監査(実査)時間が取れなくなってしまい本末転倒となります。結果、文書類の作成時間を1分でも短くすることが監査業務の成果を上げる最初の命題になりました。


書類作成のプロセスを点検したところ、「監査目的」とか「所見」とか「指摘事項」とか、まったく同じ内容を引き継ぐ形になっていることが判りました。それに、作業プロセスは書類の順番に進んでいくことも判り、さっそく、エクセルで1部署10シートのフォーマットファイルを作成しました。そして、シートごとで同じ項目のセルを「代入」で繋いだのです。要するに1つの項目は一度の入力で済むようにしたわけです。これで作業は大幅に軽減でき、プロセスの進行も一目瞭然となりました。さらに、同じフォーマットを使用する事で、同部門(配送センターや店舗、福祉事業等)では1つの部門フォーマットファイルを作り、部署名と期日を変更する事で横並びに同じ監査手法を取る事もでき、監査対象によるブレを防止する事にもなりました。さらに、一度の入力ですから、プロセスを経ていく中で内容が欠落したり改変されたりするリスクが減り、より正確な監査結果を得ることができるようになりました。
大量の業務をこなしている方、長時間労働で悩んでいる方には、業務改善の手法の一つとしてエクセルを活用いただきたいと思います。

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